中医学豆知識:全身が乾燥し体内の水が不足した状態「陰虚(いんきょ)」とは?
ファーナーズ(fuachaファンのみなさん)こんにちは。fuacha広報の晴々(セイセイ)です。
ファーナーズのみなさんは、乾燥を感じることはありますか?
私は通年乾燥敏感肌なので、毎日2回以上の保湿が欠かせません。肌が乾燥しているので、意識して水分(主に水)を飲んではいるものの、喉もなぜか乾いている状態です。
これが私の体質なんだと思い、半ば諦めていたのですが、中医学ではこのような状態のことを症状として意義付けられています。
今回、中医学でいう乾燥の状態『陰虚(いんきょ)』を晴々と一緒に学んでみましょう♪
中医学で体に潤いと栄養を与えるのは津液(しんえき)
中医学では、津液(しんえき)とは人体の中にある正常な水液の総称です。
体にある水分の血(けつ)以外のものを指します。例えば、胃液などの臓腑や組織器官にある体液や汗、涙、唾液などの分泌液です。
正常な水液のことを津液と呼び、むくみなどの正常に代謝させていない体内に停滞した水液は津液とは呼びません。
体に潤いと栄養を与える働きのある津液ですが、津と液の2種類に分類されます。
- 津…澄んで粘りがなくサラサラしていて、体の表面を潤す機能があります。津は体温調節の機能があり体内の余分な熱を汗や尿として体外に排出する働きがあります。
- 液…ドロドロした粘性のある流動性が低い液体です。体の深い部分の髄や脳、臓腑、骨を潤す機能があります。体表部の目・鼻・口などの粘膜に潤いを与えます。関節の動きもスムーズにします。
津液の流れが滑らかだと健康を維持できますが、不足したり、流れが停滞・過剰になると体内のバランスが崩れてしまい、体に不調が現れてきてしまいます。
それでは具体的に見ていきましょう。
津液のバランスが崩れると起こる症状とは
中医学では、津液の量が過剰や停滞すると湿(しつ)という状態になり、津液の量が不足すると陰虚(いんきょ)の状態になります。
陰虚は別名で津虚(しんきょ)とも呼びます。
この状態は病院の検査で異常の出にくく、当てはまる症状がいくつかあれば、その可能性があるかもしれません。
陰虚は皮膚の乾燥・のどの渇き・ドライアイなどの原因に
津液の量が不足してしまうと、陰虚という状態になります。
皮膚の乾燥・のどの乾き・ドライアイ・便が固くなる・痩せ・花粉症・不眠などの症状がでます。
私達の体に不可欠な津液が足りていないことによって、様々な形で乾燥による全身症状がでてくるのですね。
陰虚の原因は?
主な原因は、過労や睡眠不足、ストレス、加齢、性生活の乱れなどです。水分を多くとれば陰虚にならないという訳ではないので注意が必要ですね。
ストレスが引き起こす病気や症状は、数えきれないくらいあり万病の元ともいえます。
ストレスが多い現代社会ですが、いかにストレスを軽減させ発散するかが重要になってきますね。
おすすめ食材はナッツとネバネバの食べ物
乾燥にはナッツを
アーモンドや落花生などのナッツ類はカラダを潤し、炎症を抑える作用があります。
喉の痛みや乾燥体質の人にも効果があります。腸の乾燥による便秘にナッツはおすすめです。ナッツに含まれる良質な油で排便がスムーズになります。
美容にも1日拳ひとつまみのナッツが良いと言われていますよね♪
簡単に食べられて小腹が空いた時に、ナッツはヘルシーな間食として良いですが、美味しくてついつい食べ過ぎてしまうので注意が必要です。
ネバネバの食べ物は体に潤いを
漢方では、ヤマイモ・オクラ・モロヘイヤのようなネバネバした食べものは体の潤いを補うと言われています。
ヤマイモは、胃の機能の改善や、肺の粘膜や肌を潤す作用もあり、乾燥にとても効果的です。
オクラのネバネバには水溶性食物繊維のペクチンが含まれており、善玉菌のえさとなって腸内環境を整えてくれるので便秘や下痢を予防してくれます。
王様の野菜と呼ばれているモロヘイヤは栄養価がとても高いことで知られる緑黄色野菜です。さっとお湯に通すと特有の粘り気が出て、するっと食べられます。
ネバネバの食材は、できるだけ加熱せずにみずみずしい状態でいただくのが良いでしょう。
避けたほうが良い食材
辛い食べ物は発汗作用があり、体の乾燥の原因にもなります。こまめな水分補給が陰虚体質の人は特に必要です。
唐辛子、生姜、胡椒などの香辛料の取り過ぎには気をつけましょうね。
中医学の乾燥体質の陰虚について理解が深まりましたね。
昔の事ですが、中医学に詳しい知り合いが私のことを見て、「陰虚体質かもしれない」と仰った事がありました。今回、自分のちょっとした悩みが陰虚体質の症状に当てはまり、ハッとさせられました。
ファーナーズのみなさんはいかがでしょうか。
水分だけたくさん摂っていれば良いということではなく、体に良い食材を意識的に取り入れながら、ストレスを減らした自分に心地よい生活を、一緒に心がけていけたらいいなと思っています♪
次の更新も楽しみにしていてくださいね。
【参考】
・大和書房:体が整う水曜日の漢方 工藤孝文 工藤あき
・クラシエホームページ:漢方の基礎知識「気血水とは」
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