中秋節とは?
中秋節とは、旧暦の8月15日にあたる日で、春節(旧正月)に次ぐ中国の伝統的な国民の祝日です。
新暦を採用している現在では毎年日付が変わるのですが、2023年は9月29日。
今年は10月1日の国慶節(こっけいせつ・中国の建国記念日)の休みと合わせて中国では8連休(9月29日〜10月6日)になるそうです!
中秋節に行う伝統的な活動は、お月見をしたり、提灯(ちょうちん)を飾ったり、月餅を食べたりします。
毎年、中秋節になると人々は各地から家に帰り、家族団欒で食卓を囲みます。
シンガポール、マレーシア、韓国、ベトナム、台湾など、多くのアジア諸国でも祝われている中秋節。
台湾では、月を眺め月餅を食べること以外に最近では焼肉を食べるのが流行しているんだとか。
中秋節は、日本の秋の伝統行事「お月見」のルーツでもあるんです。
日本では祝日ではないものの旧暦の8月15日は「中秋の名月の日」として親しまれていますね。
中秋節に欠かせないのが月餅(げっぺい)
月餅とは、硬めの生地の中に餡が入った中国の伝統的なお菓子のこと。日本でもスーパーやコンビニなどで気軽に手に入ります。
「月餅」と書いて日本では「げっぺい」、中国では「ユエピン」と呼ばれています。
満月のように丸く平らな形が「家族の輪」「団欒」を象徴すると言われており、一家で丸い月餅を均等に分けて食べ家族の幸福を祈ったり、親戚や友人への贈答品として贈り合ったりするのが中国の習わしです。
中華圏では8月頃からデパートに月餅特設売場ができ、有名ホテルや百貨店が新作月餅を売り出し、贈答品用にと人々はこぞって買い求めます。
人気のものは予約必須なんだそう!まるで日本のバレンタインデーみたいですね。
しかし贈る相手はビジネスの取引先やお世話になった方へがほとんどだそうで、その役割は日本で言うと“お中元”のような感じもします。
月餅の由来については諸説あります。
その一つに、元を倒した明の皇帝、朱元璋(しゅげんしょう・1328-1398)が中秋節の日に月餅の中に隠した密書を仲間に送り、勝利を得たという有名な伝説があります。
中秋節に月餅を贈り合うことは当たり前の習慣だったため、この習慣を利用して敵に囲まれながらも同志と密かに連絡を取ったんだとか。
このエピソードが本当かどうかはさておき、月餅の歴史は古いようです。
お月見は現代でいえばフェスだった!?
中秋節を祝う習慣は古代中国の「月祭り」まで遡ります。
古代中国では、豊作を祈って音楽を奏で月の神様に祈りを捧げるお祭りが秋の暮れに行われていました。
お祭りでは、月餅、すいか、りんご、なつめ、すもも、ぶどうなどのお供物を用意していました。
中でも月餅とすいかは重要なお供物だったようで、すいかは蓮(はす)の花の形に切って飾ったそう。
日本でも旧暦の8月15日にあたる日にお月見をする風習がありますよね。
「中秋の名月」や「十五夜」と呼ばれ、月を見ながらお団子を食べたりします。
とは言え、ここ最近は改まってお月見する人はどのくらいいるのでしょう?私は子どもの頃の行事以来した記憶がありません…。
秋になるとファミレスやファストフード店などでは“月見シリーズ”のメニューが期間限定で出たりするのでそちらの“月見”の方が馴染みがある人も多いのでは?
中秋節のお月見が日本に伝わったのは平安時代とされています。
旧暦では7月〜9月を秋としており、8月15日はそのちょうど真ん中。
その頃は1年を通して最も月が美しい季節とされたことから、平安時代の貴族たちは、中秋の名月に月を眺めて和歌を詠む「観月の宴」を開いて酒や音楽とともに楽しみました。
平安時代の観月の宴は、現代でいえばフェスのようなものだったと想像します。なんだか面白いですね。
江戸時代になる頃には、「収穫祭」の意味合いも強まって一般庶民にも伝わりました。
月に秋の収穫物を供えて祈り、稲穂に例えたススキを飾り、神酒(みき)を捧げました。
中秋節を祝おう!
今年の9月29日は金曜日。1週間の仕事終わりのファーナーズも多いのでは?
お月見をしながら月餅を食べて中秋節をお祝いしてみませんか。fuachaの花茶や果茶を甘いお菓子のお供にしてくれたらとっても嬉しいです。
ファーナーズのみなさんが素敵な中秋節を過ごせますようにと願ってます。
次の更新も楽しみにしていてくださいね。
参考
CHINA HIGHLIGHTS「2023年の中秋節はいつ?中国中秋節の風習、食べ物、過ごし方、挨拶を紹介」
横浜中華街観光ガイド「中秋節と月餅」
岡田哲 編「世界たべもの起源事典」東京堂出版